東京国立博物館の特別展「運慶」はあの時代のエネルギーを感じられる貴重な仏像が一杯だった

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東京国立博物館 [平成館]で2017年9月26日(火)から11月26日(日)の間に開催されている興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」に行ってきました。
運慶と言えば、歴史の時間に習った運慶・快慶のセットで覚えた仏師ですが、私自身は関西人ですので東大寺南大門にある、金剛力士像の力強さと躍動感溢れる作風が一番印象に残っています。
引用:Wikipedia:東大寺の仏像より
今回、その運慶の作品の多くが一堂に会する貴重な特別展という事で、行く前から非常に楽しみにしてましたが、実際に行ってみると本物の作品を非常に近い距離で鑑賞ができましたし、運慶作品が持つ圧倒的な写実性と迫力に驚かされっぱなしの一日でした。

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上野恩賜公園内を抜けていく

今回の特別展は、上野恩賜公園内にある東京国立博物館[平成館]で行われていますが、上野駅を出て上野公園内の奥にある博物館まで抜けて行く道では、時々様々な演し物が行われています。
私が行った時には、「にっぽん文楽上野の杜」が開催されていました。

初日・2日目の昼と夜の公演の合間には、会場周辺で、東京藝術大学との特別コラボレーション企画もあり、「にっぽん文楽」を盛り上げます。音楽学部学生の邦楽・洋楽混成の音楽隊「藝大Artチンドン」が、作曲家である松下功副学長が作曲した曲を演奏しながら練り歩き、それに合わせて「せんとくん」で知られる彫刻家の籔内佐斗司美術学部教授が製作した巨大人形がパフォーマンスを繰り広げます。

この特別コラボレーション企画が行われていたタイミングで出くわしたので、人の2倍以上もある巨大人形も見る事ができました。

小面が開くと般若の顔が現れました。

巨大人形が、お面をかぶった人物と戦うのですが、巨大人形は黒子の格好をした人が一人で竹を使って操っているのが見えます。

このパフォーマンスを楽しんでから、博物館に向かいましたが、奥の舞台はまだ設営作業中でした。

東京国立博物館

東京国立博物館は、1872年(明治5年)に創設された、日本最古の博物館で、本館、表慶館、 東洋館、平成館、法隆寺宝物館の5つの展示館と資料館その他の施設から構成されています。

上野恩賜公園から向かって歩いて行くと、最初に大きな本館が見えてきます。

東京国立博物館 本館


門を抜けたところに券売所があるので、チケットを購入。

本館を正面に見て左側にある、平成館に入ります。

東京国立博物館 平成館


広い館内を奥へ奥へと進むと、特別展「運慶」の会場です。

音声ガイドは借りましょう

特別展「運慶」の大きな垂れ幕には、国宝「円成寺大日如来座像」の大きな写真が。

階段下の右手には、運慶ファンクラブサイト「運慶学園」の講師&生徒と写真撮影ができるパネルが置いてありました。

エスカレーターを上がって左側が特別展の入口で、そこで出品目録を頂きました。



音声ガイドも520円で借りられます。

この音声ガイド、円派、院派、慶派の話や運慶の作品について下調べをしてから行かれる方には不要ですが、予備知識がない場合には借りるのをオススメします。

必見の仏像がズラリ

全国に現存する運慶作品31体のうち22体が見られる今回の特別展。
どれも素晴らしい作品ですが、以下のものは必見です。
ただし、写真撮影は禁止ですので、目に焼き付けて帰りましょう。

円成寺 大日如来座像

入口入ってすぐのところにある、国宝「大日如来坐像」。
胸の前で智拳印を結ぶ金剛界大日如来で、運慶が最初に作った作品ですが、足の裏に土踏まずがあるといった、三十二相八十種好と呼ばれる仏の特徴を持たせないなど、革新的な表現がされています。
通常の仏師なら3ヶ月程度で作業を終える工程を、実に11ヶ月もかけて制作したそう。

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願成就院 毘沙門天像

国宝「毘沙門天立像」。
生きているかのようなリアルなお顔で、玉眼(ぎょくがん)と呼ばれる眼球の部分をくりぬき,内側から水晶を当てて瞳を描き,当て木で押える方法をとった目をキッと剥いて、今にも動き出しそうな生き生きとした描写が素晴らしく、現代の作品と言っても通用するような見事な造形です。

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金剛峯寺 八大童子立像

国宝「八大童子立像」。
高野山霊宝館に所蔵されている不動明王に仕える八大童子の像。
どこかで会った事あるようにさえ思える子供の顔をした八大童子ですが、当時の色が残る鮮やかな色彩で、細かい服の模様まで書き込まれた仏像を見た当時の人の驚きはさぞ凄かったというのが想像できます。

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360度、後ろにも回って見れる展示となっていますので、寺社で安置されている時には見る事ができない様々な方向から堪能できるのも素晴らしいです。

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興福寺 無著菩薩立像、世親菩薩立像

国宝「無著菩薩立像」と「世親菩薩立像」。
普段は興福寺にあります。
この二人の像も、表情はリアルで生きている姿をそのまま時間を止めてこの場に留めたかのようですが、体の方は大胆に服のひだが作られ、ある意味抽象化がされているのですが、全体として非常にバランスが取れており、見るものを圧倒します。

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興福寺 天燈鬼立像、龍燈鬼立像

国宝「天燈鬼立像」と「龍燈鬼立像」。
教科書で見た方も多いと思いますが、あの天燈鬼、龍燈鬼がほんのすぐ目の前で見れ、筋肉が盛り上がりいかにも力が入っている、といった表現をまじまじと見る事ができます。

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午後だと空いてる

休日の朝は、入場制限までかかってるようですが、午後になるとかなり空いてきて、私が行った午後15時以降は待ち時間もなく入れました。
また、公式のTwitterアカウントの運慶展〈混雑情報〉で混雑状況が見れるんですが、こちらもその辺りになると空いてくるようです。

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金曜日と土曜日は21時まで開館してますので、この辺りに行くとジックリ見れると思います。
開催期間終了が近づいてますが、是非この機会に!