Qrio、Safie、雰囲気メガネの話が聞ける「Makuake」のIoT関連イベントに参加してきたや、電通ブルーが販売するスマートロック「246」の「246 アンバサダー」に採用されましたなど、最近追いかけ続けている「スマートロック」。
国内で唯一販売を開始している「Akerun」のメールマガジンに登録をしていたところ、「スマートロックロボットAkerun 特別体験セミナー」の案内がありましたので2015年5月12日に参加をしてきました。
参加者は不動産系の方が多かった
体験セミナーが行われたのは、五反田駅から徒歩5分ほどの所にある「コワーキングスペースCONTENTZ」。
「人工芝席」という靴を脱いで上がる、ちゃぶ台のような足の短いテーブル2つが置いてあるこじんまりした所で、10名ほどの参加者での開催でした。
参加しておられた方は、物件の管理などで使うことを想定されている不動産系の方が一番多く、他は携帯電話キャリア、BLE(Bluetooth LE)の商品を取り扱っている商社、自動車部品メーカーなど。
貸別荘や外国人向け住宅、物件オーナーなど、実際に導入を検討されている方が参加されている感じでした。
主にご説明いただいたのは、「Akerun」を開発・販売している株式会社フォトシンスのCo-Founder 小林 奨氏で、「Akerun」の立ち上げの経緯から伺いました。
2014年6月から準備をし、7月の段階でデモ機を作成したところ、日経新聞の「スマホが自宅の鍵に 電機大手の若手ら開発」に取り上げられた反響が大きかったそうで、その勢いで9月に会社を登記し、その後半年で量産まで持って行ったとのこと。
このあたりについては、Device Plus:「Akerun」フォトシンス社のリアルな1年4ヶ月。”IoTスタートアップ+覚悟” が呼び寄せるものとは?に詳しく載っていますね。
本体は意外と厚みがある
「Akerun」自体は、手のひらよりも少し大きいぐらいのサイズ。
ドアの鍵を回すサムターンを収納する関係か、意外と厚みがあります。
裏側には、サムターンにかぶせて扉に貼り付けるための三つの両面テープ。
表側の蓋を開けると電池が入っているのが見え、サムターンを手で回す事ができるツマミもあります。
電池は単三リチウム電池4本で2年持ち、電池容量が40%程度になるとメールで通知してくれます。
手に持つと、大きさの割りに軽く感じます。
「Akerun」には、ドアセンサーが用意されていて、ドアを閉めると自動的にドアの鍵を閉めるオートロック機能も使えます。
大きい方に、ボタン電池を入れて以下のように使います。
オートロックとAkerunもBLEで接続。
販売価格は、36,000円(税抜き)と機能が異なるので一概に比較はできませんが、「Qrio Smart Lock (キュリオ スマートロック) 」が18,000円(税抜き)に対し2倍となっています。
スマートフォンはネット接続が必須
デモでは、実際に「Akerun」を開封してからスマートフォンと接続するペアリング、スマートフォンでの解錠などを見せていただきました。
利用をするには、アプリのインストールが必須となり、ユーザー登録をしてアカウントを設定する必要があります。
複数台の「Akerun」を登録することもできます。
サムターンのつまみの向きは横向きが普通ですが、たまに縦のものがあるので最初にその設定を行います。
ドアノブが邪魔な場合は、横向きでも取り付けが可能だそうで、つまみが円の中心にない場合にはアタッチメントを使っての取り付けも可能。
設定できた「Akerun」を、ドアの内側に取り付けます。
内側から見るとこんな感じ。
内側から開ける際は、「Akerun」の蓋自体を押すと鍵が開きます。
スマートフォンで鍵を開ける場合には、セキュリティの観点からネット接続が必須となっているとのことで、アプリの画面から解錠や施錠を行います。
取り付けと設定については、週アス PLUS:完全実録 スマホが家の鍵になるスマートロックAkerunを取りつけてみたに、細かい解説が写真付きで上がっていました。
鍵の受け渡しもネットで簡単に
ユーザー追加は、電話番号やFacebook、LINEなどで送れるようになっており、権限設定や常時利用、一時利用の期限設定もできます。
ユーザーの権限は三段階。
オーナー権限が付与できるのは一人だけで、「Akerun」の設定と鍵の開け閉め、鍵のシェアなどができます。
管理者権限は、鍵の開け閉め、鍵のシェアはできますが、設定はできません。
ゲスト権限は、鍵の開け閉めのみ。
鍵の受け渡しは、アプリ登録時に作成するAkerunアカウントに対して紐付けを行うようになっているようで、オーナーや管理者の承認は必ず必要です。
ただ、承認を受けたAkerunアカウントはどのスマートフォンやタブレットでも、アプリのインストールをしてログインをした段階で使えるようになり、端末には紐付いていないので、Akerunアカウントの管理がセキュリティ上重要だと感じました。
運用における注意点
運用における注意点としては、以下のようなお話がありました。
- オートロックを設定している場合、ホテルのオートロックと同様に鍵を忘れて外に出てしまうと中に入れない、ということが発生するので、最初は鍵とスマホを持って運用をする方が望ましい。
- 現状対応していない鍵は、ドアノブと鍵穴が一体化しているプッシュプル錠ですが、殆どの鍵は分かれているので「Akerun」が使える。
- 「Akerun」をドアに二つ付ける場合、親機と子機として設定するか、別の部屋扱いにして別々に解錠を行う設定のどちらかができる。
- BLEの接続距離は10mと謳っているが、ドアの厚さ次第でもう少し実際は飛ぶ。
- 誰がいつ開けたかの利用履歴も取れ、保存期間は20日となっている。
- 「Akerun」のアップデートは、BLEでスマホ経由で行う。
また、今後の機能追加としては以下のものを予定しているようです。
- ドアの近くにきたら、自動でドアを開ける機能。
- 「Akerun」自体をインターネットに接続する機能。
製品として他よりも先行
専用のカスタマーサポートセンターも用意されていて、24時間365日のサポートを謳っており、「Akerun」本体は、1年間保証がついており、故障をしても無償で交換をしてもらえます。
「Akerun」自体は、AppBank Storeの実店舗でも取り扱っていて、土日・祝日はデモも行っており、二子玉川にあるTSUTAYA家電でもコンシェルジュがデモしてくれるようです。
また、予約からチェックアウトまでスマホで全て完結が可能できる事を目指して、39ホテルプロジェクトという、NTTドコモおよびNTTドコモ・ベンチャーズと国内ホテルでのスマートロックを活用した実証実験と事業開発も行われていて、専用のシステムも構築しているとのこと。
他にも、「HOME’S」を運営する株式会社ネクストと一緒に「スマート内覧」という実証実験を行っていて、将来的には家主自身が行う「セルフ内覧」を想定しているとのことでした。
スマートロック自体は、これからかなり普及が進むと思っていますが、「Qrio Smart Lock (キュリオ スマートロック)」は当初2015年5月中の発売予定がいまや2015年9月中旬以降となっており、他には不動産管理会社の株式会社ライナフが、Ninja Lock(ニンジャロック)というものがあるようですが、実際に触って購入できる「Akerun」は、一歩抜きん出ている感があります。
今回、私自身も「Akerun」に実際に触れる事で、色々な利用シーンが思い浮かびましたので、機会があればぜひAppBank Storeや、二子玉川にあるTSUTAYA家電で触れてみてはいかがでしょうか?