「やまもといちろう、あの『ウワサ』のDMM会長・亀山敬司に直撃!」というイベントに参加してきた

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行ってみた
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最近は、フジテレビのとくだねにコメンテーターとして出たりと、一般での露出も増えている元切込隊長ことやまもといちろう氏。

そのやまもといちろう氏が、DMMの会長に話を聞くというイベント「やまもといちろう、あの『ウワサ』のDMM会長・亀山敬司に直撃!」がPeatixで上がっていたので先週13日の金曜日に恵比寿ガーデンシティに行って話を聞いてきました。

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このイベントは、10月27日(月)に有料で行われたイベントの第2弾で、今回は無償だということで参加してみましたが、趣旨としてはDMMが就職希望者を集めて話をする、という形のイベントでした。

第1弾:【公開対談】北朝鮮からFC2まで、DMMにまつわる疑惑の真相とは

イベントタイトルが「直撃!」とはなっていますが、やまもといちろう氏がインタビュアーに近い形で進み、どちらかというとやまもと氏がIT系の話に絡めるネタを振って、それに亀山会長が答えるという形。

DMMにとっては、聞かれたくない話は基本でないようなイベントでしたが、亀山会長のキャラクターが色んな意味で全面に出てくるため、話しているうちに内容が微妙なものも出たりと意外と面白いイベントになってました。

話がかなり前後した形で語られたので、全体をまとめ直したのと、写真撮影が禁止されていましたのでイベントの写真はありません。

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ソーシャルゲームについて

イベント会場の入り口がわからず、最初の15分程の話を聞き逃してしまいましたが、中に入ると丁度話は1月27日にリリースされ、「プレイヤーがじゃぶじゃぶ課金したくなるような射幸心を煽りまくる説明文章」というテキストが掲載されて話題となったDMM.comの「FLOWER KNIGHT GIRL」の話をしているところでした。

亀山会長いわく、担当に聞くと「じゃぶじゃぶ課金」というメッセージはネタではなく本当に間違って上がってしまったということでしたが、DMMはそれをやっても許してくれるようなイメージがあって助かったと。

また、艦これ自体は初期投資としては5,000万円しか掛けてないので、かなり儲かっているという話でした。(日経の、日経電子版2014年6月27日:異形の急成長企業DMM、多角化とトップの実像によると、140倍の70億円の売上高があるようです。)

亀山会長の過去の仕事について

DMMを立ち上げる前のレンタルビデオ店以降の歩みについては、日経電子版2014年6月27日:異形の急成長企業DMM、多角化とトップの実像に詳しく載っていますが、それ以前の話がここでは語られました。

最初の事業としては、有人と貸レコード屋をやるためにいろいろなアルバイトをするところから始めたということでしたが、ここの話は微妙な話が一杯。

新宿二丁目のホストクラブでビキニパンツ一丁でバックダンサーをやったり、露天商に弟子入りして、その当時流行っていたDr.スランプ あられちゃんの「すっぱまん」や「ニコチャン大王」等のキャラクターを自分で勝手に書いてキーホルダーにし、全国を旅して露天で販売する。

海外に遊びに行ってラスベガスでお金を3日ですってしまったら、ニューヨークの日本料理店で働いて金を稼ぐ。

メキシコに渡ってトルコ石を大量に仕入れた時は、日本に持ち込む際に領収証を10%だけわざとのこして、本来の税金のうち5%だけしか払わないで済むようにした、といった感じです。

やまもといちろう氏がその度に、「著作権違反ですね」とか「不法労働ですね」という感じで突っ込むのですが、特にそれに対しては触れる事もなく話を続けられるので、亀山会長にとっては「昔の事だから」という感じなんだとは思いますが、この規模になった会社の会長が過去の話とは云え、こういった話を公の場でするのはかなり稀に思います。

DMMのブランドについて

DMM.comやDMM FX、DMM英会話等、一般向けサービスを展開する時に、アダルトのDMMとブランドを分けなかったのは、その事業展開が失敗した時に投資した広告が無駄になるリスクを避けたかったと。

もし、その事業自体が失敗してもアダルトのDMMとしてはブランド認知が出来るので、取っぱぐれがないという事を想定してたようです。

これは、やはり事業の中心にアダルト事業があり、その他の事業が伸びていくのは望ましいのでしょうが、ベースとなるアダルト事業がある中での多角化という認識のようにこの話からは感じられます。

新規事業展開について

新規事業については、亀山会長の自身は個別事業に対する判断はあまりしていないようなお話しでした。

流行りの業種を見つけて、そこに人をあてがうたいうことをやっているが、トレンドが変わった際には必ず「逃げ道」となる事業を用意をしていると。

DMM.makeを作った理由も、ITはソフトバンクやサイバーエージェント、楽天など、既に大きくなったベンチャーが多いため、そういったベンチャーがいない領域としてものづくりは美味しい、という判断から。

しかし、話の中で重視していると思われるのは「チャリンチャリンビジネス」と呼ぶ、継続的に収益が上がる仕組みに対する評価でした。

ゲームもプラットフォーム、DMM.makeもプラットフォームの方が魅力的、というのもその意識からでしょう。

また、出版事業等の既に存在するビジネスモデルへの参入は、そのビジネスに対する知識が必要ですが、過去に存在しなかった業界であれば全員が同一線上にいるのでいつでも追いつけると考えて参入をしているということで、オンライン英会話、太陽光発電等はそれで参入の判断をしたようです。

ただ、DMMクーポンをやった時にリクルートが大きい会社と全く知らなかった、という話は驚きでした。

DMMの組織は、有機的であまり階層化されていないようで、新たな事業については、亀山会長に直談判をして承認が取れたらいきなり事業部として立ちあがっていくような事を話されていました。

あと、アダルトで稼いだお金を再投資するのは、会社にキャッシュを残す気がないので可能だと。

事業会社が数%の投資をすることは意味がない、50%以上とらないと意味がない、ということも言っておられました。

DMMに向いている人とは

求人のためのイベントということで、DMMが欲しい人材や社内ジョブローテーション等の話も出ていましたが、ここを聞くとかなりマッチする人材が絞られる感じですね。

まず、絶対条件として「エロを拒絶しない人間」というのが一番に上げられていて、この段階でかなりの人のハードルが高いと思いましたね。

やまもといちろう氏も言っていましたが、普通に仕事の話の中で真面目にエロの話がでる社風、とのこと。

イベントの最初から最後まで、舞台の後ろにDMMの売上高のグラフが表示されていたのですが、グラフで見ると直近売上高の6割以上がまだアダルトで稼いでいる感じですので、それがこれからも大きいのだと思います。

そのため、アダルトに拒絶反応がある人やその人の親が拒絶するなら仕方ない、と。

また、DMMクーポンというグルーポンと同じ仕組みの事業を2011年9月11日に終了した後は、その事業をやっていた人間を次に風俗営業に回し、その次には太陽光発電の営業に回した、と言っていました。

これは、人脈や商品知識に価値はあまり感じておらず、こういったものは新規事業展開で重視している「先行者が存在しないビジネス」においては、入れ替えが効くと考えているからのようですが、実際に事業に携わる方としてはかなり悩ましい部署移動だと思います。

「関わった人材は必ずどこかで活かしたい」ということも仰っていましたが、ゲームからアダルトまでの幅広さですから、これはかなりの覚悟がいると思います。

人材について

DMMでは、高卒でビデオレンタル店の店長をやってた人間が、ゲーム開発のトップをやっていたりもするそうです。

ただ最近は、大卒の能力の高い人間が多く入ってくるが、能力が高くても有能であるかは別であり、そういう人間はリストラするとGREEのように大量に辞めていくので、そういった人間は人材とは呼ばないとはっきり言っていました。

自分で考えて、勝手に動ける人間が人材であり、走っている人間を止めるのは予算を止めるなどで簡単にコントロールが出来るが、走らない人間を走らせるのは難しいので、それが出来る事が一番重要という考えのようです。

ちょっとだけ垣間見えた

アダルトの会社だったのに、FXや英会話、艦これのソーシャルゲーム等を次々に打ち出してきたDMMという会社。

日経電子版2014年6月27日:異形の急成長企業DMM、多角化とトップの実像によるとグループの2013年の売上高は約1200億円、当期利益は約130億円、イベントでは従業員は2,000人と言っておられましたが、その規模の割に見えなかったその中身が、ほんの少しだけ垣間見えました。

グループの2013年の売上高は約1200億円、当期利益は約130億円になったもようだ。「6~7割をAV関連、2割をFX、残りをデジタルコンテンツ配信やゲームで稼いでいる」(関係者)。従業員数は約1800人。この3年間で500人以上は増えている。

イベントでは、サイバーエージェントや楽天のような「組織型」の会社ではなく、「オーナー会社」の雰囲気が多分に感じられました。

また、アダルトの収益がふんだんにある事で、余裕を持った事業展開が出来ているというのもあるのだと思いますが、逆にいうとアダルトはずっと続けていくというのは規定路線という宣言だとも取れます。

事業戦略については、「先行者が少ない事業」「ちゃりんちゃりんビジネス」という2点でこれからも参入をされると思いますので、他社にとってはアダルトという高収益の事業を持って参入してくるDMMは非常に脅威です。

ただ、私自身は会社というのは従業員を雇い、大きくなるに従って「社会公器」としての役割が大きくなると考えていますので、その点で今後DMMが何処に向かっていくのかについては興味があるところです。