東京国立博物館の平成館で2019年3月26日(火) から6月2日(日)まで開催されている特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」。
ゴールデンウィークの真っ最中の5月4日に行ってきました。
チケットはオンラインで購入
今回、チケットはオンラインで事前に購入していきました。
こちらのチケット購入サイトから購入することができます。
前売券は既に販売が終了していましたので、料金は、一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 900円で中学生以下は無料です。
申し込みをすると、購入完了メールがイーティックス・オンラインチケットから送られてきます。
東京国立博物館の平成館で開催
今回の特別展は、東京国立博物館の特別展「運慶」はあの時代のエネルギーを感じられる貴重な仏像が一杯だったで行った特別展と同じく、上野恩賜公園内にある東京国立博物館[平成館]で行われています。
正面の東京国立博物館本館の左手から、平成館に入ります。
平成館の入口で、イーティックス・オンラインチケットからきたメールに書いてあるURLをクリックし、表示されたQRコードを読み取ってもらってチケットを受け取り。
チケットを持って2階に上がります。
今回も音声ガイドを借りました。
教科書に載っていた文物も多数展示
東寺(教王護国寺)は、平安京遷都に伴って、王城鎮護の官寺として西寺とともに建立されましたが、唐で新しい仏教である密教を学んで帰国した真言宗の開祖 弘法大師空海が、823年に嵯峨天皇より東寺を賜り、真言密教の根本道場としました。
そのため、東寺(教王護国寺)には、密教の貴重な宝物が数多く残されているのですが、今回の特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」では、これらの中から空海が作り上げた曼荼羅の世界を体感できる講堂安置の21体の仏像からなる立体曼荼羅のうち、史上最多となる国宝11体、重文4体、合計15体が出品されるほか、彫刻、絵画、書跡、工芸など密教美術の貴重な品々が来ています。
特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」では、4つの章に分けて展示が行われていました。
- 第1章 空海と後七日御修法
- 第2章 真言密教の至宝
- 第3章 東寺の信仰と歴史
- 第4章 曼荼羅の世界
風信帖が見られた
東寺(教王護国寺)には、空海の書の中でも最も格調高いと言われる「風信帖(ふうしんじょう)」が残っていますが、この教科書にも持っている三筆と言われる空海の直筆が今回の5月19日まで見れました。
Wikipedia:風信帖から引用 By 尾上八郎 – 和様書道史, パブリック・ドメイン, Link
また、空海が唐から持ち帰った仏教宝具が展示されていましたが、大きな金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅の前に、後七日御修法の堂内の様子が再現されていて、普段は見る事ができない密教の儀式の様子が伺い知れました。
曼荼羅の充実ぶりが素晴らしい
密教において、曼荼羅は密教の世界観を理解する上で大変重要です。
曼荼羅には大日経を示した「胎蔵界曼荼羅」と金剛頂経を示した「金剛界曼荼羅」があって、この2つはどちらも大日如来を中心とした図柄で2つで一対、両方を合わせて両界曼荼羅と呼ばれています。
この曼荼羅の貴重な資料が多数展示されていて、さらに「胎蔵界曼荼羅」に如来、菩薩、明王などがどのように配置されているかといった解説図も用意されていましたので、曼荼羅に詳しくなくても楽しく見る事ができると思います。
ただし、国宝の両界曼荼羅図は、会期の前半と後半で別れての展示となっていますので、両方を揃って見ることはできませんでした。
立体曼荼羅の仏像をあらゆる方向から見られる
東寺(教王護国寺)では、立体曼荼羅全ての像が並んでいますが、立体とはいいながらも正面からの拝観となりますので、重なっていたり奥の方の仏像についてはよく見えませんし、薄暗いお堂の中で見るのでそれぞれの細部まであまり見る事ができません。
東寺公式サイトから引用
こちらは、東寺公式サイトから引用した立体曼荼羅配置図です。
一方、こちらの会場図を見ていただくとわかるのですが、右側の広い場所が立体曼荼羅を再現した所になります。
大日如来やそのほかの来ていない仏像は写真で展示がされており、奥から如来、その手前が金剛菩薩、明王と続き、一番手前が天部の持国天と増長天、一番下の大きな丸が帝釈天という配置で、実際の配置とは異なりますが、それぞれの特徴を並べて観察できるのは面白いです。
特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」では、仏像1体1体を離して配置していますので、仏像の周りを360度回ることができ、さらに明るい照明の中でじっくりと見る事ができるのは嬉しいですね。
帝釈天騎象像が撮影し放題
こういった展覧会では珍しく、帝釈天騎象像だけにはなりますが撮影OKになっています。
この帝釈天騎象像、顔の輪郭こそちょっとふっくらしていて平安時代の仏像の特徴を表していますが、眉は大きくキリッと細め、目は半眼ですが目尻が長く切れ上がっていて、口もやや仏像にしてはやや薄めでしっかりと結ばれているため、全体的に締まった印象を与え「イケメン」と称されるのものわかります。
帝釈天は、仏法の守護神として梵天と共に天部に属していますが、元々はインド ヒンドゥー教の神であるインドラで、手に持つ金剛杵はヴァジュラで名前の通り金剛(非常に硬い金属、もしくはダイヤモンド)でできていて雷を操ることができます。
起源となるインドラがインド=イラン共通時代までさかのぼる軍神ですので、甲冑を身につけていますね。
アイラーヴァタというインド神話に登場する白い象のヴァーハナ(神の乗り物)に乗っています。
素晴らしい造形なので、思わずたくさん写真を撮ってしまいました。
特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」の詳細については、東寺展の公式サイトだけでなく、東京国立博物館 >> 展示 >> 日本の考古・特別展(平成館) >> 特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」にも解説がありますので、そちらを事前に見ていくとより楽しめると思います。