[電子書籍]Google ブックスは技術書の書籍購入を鈍らせるかも

スポンサーリンク
電子書籍
記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

2013年5月6日追記:こちらの記事は、一部事実誤認がありましたので内容の修正をしました。

Googleが提供する「Google Books(ブックス)」は、Googleのポータルサイト内で提供されている書籍の全文検索サービスで、オンラインで書籍を閲覧する(公共利用できる書籍であれば、PDF ファイルの無料ダウンロードが可能)、書籍を購入または図書館からその本を借りるといった機能があります。

サービス自体は2004年10月7日に開始されていたものですが、最近Google Books(ブックス)の書籍が検索結果に出て来たため、改めて現在の状況を見てみると、この「オンラインで書籍を閲覧する」という機能は、書籍購入、特に技術書の購入に影響を与えそうな状況になっていると改めて衝撃を受けました。

Google Books(ブックス)

Google Books(ブックス)

Google Books(ブックス)

スポンサーリンク

Google Books(ブックス)の全文検索対象データは?

オンラインでプレビューが見れる書籍は、「Google Books(ブックス)」サイトの「Google ブックスについて」によると

書籍の著作権が失効しているか、出版社が Google に許可を与えている場合は、書籍のプレビューを見られます。また、書籍によっては全文を読むことができます。公共利用できる書籍であれば、PDF ファイルの無料ダウンロードが可能です。

となっています。

また、Wikipediaの「Google ブックス」の項によると

書籍内の全文を対象に検索を行なうことができ、検索結果として表示された書籍の内容の一部(著作権切れの書籍であれば全ページ)が無料で表示される。検索・表示されるデータはGoogle社が紙製の書籍からスキャンしたもの。

著作権の保護期間が満了した書籍は、全文が公開されている。この場合 Googleブックスは電子図書館として機能する。これに対し、著作権保護期間が存続している書籍は、書籍の一部がプレビュー表示され、同時に書籍販売サイトへのリンクが表示される。この場合Googleブックスは広告・販売促進サイトとして機能する。この両者の機能を併せたものがGoogleブックスである。

というように、Google社自身で書籍をスキャンしてデータ化をしているようですが、検索をしてみると著作権が切れているものだけでなく、実際に販売がされている比較的新しい本でも検索結果にでて、全文の閲覧も可能になっているものがあります。

どういった本がGoogle Books(ブックス)で全文見れるのか?

有料で販売されている書籍が無料で閲覧できる状態は、著作者や出版社からはサービスが開始された段階から非常に問題視されており、著作権の話や訴訟についてはGoogleブック検索和解契約が出た後も色々な動きがありますが、現時点でGoogle Books(ブックス)はどんな状況になっているのか調べてみました。

アマゾンで「WordPress」の和書を検索し、人気度で並べた上位15冊の中で、全文プレビューに対応していないものだけをマスキングをしてみたら以下の5冊が全文プレビューに対応していました。

アマゾン「WordPress」人気度ランキング

アマゾン「WordPress」人気度ランキング

その中の「本格ビジネスサイトを作りながら学ぶWordPressの教科書」をGoogle Books(ブックス)で見てみると、以下のように中身が全て見えてしまってある程度見えています。

本格ビジネスサイトを作りながら学ぶWordPressの教科書 目次

本格ビジネスサイトを作りながら学ぶWordPressの教科書 目次

横には「この書籍の印刷版を購入」やGoogle Playのリンクはありますが、技術書の場合だと書籍の中の一部やコードだけを知りたいという人にとっては購入まで進む事はあまりしない状況においてはしない場合も出てくるでしょう。

このように、Google Books(ブックス)で全文がある程度の内容を読める書籍が、人気のある書籍の中にももう既にある程度の割合で存在する、という状況になっています。

全文読破は難しいが一部を読むのには便利

このようにGoogle Books(ブックス)は、インターネットユーザーにとっては、書籍を買わずに中身を閲覧できるという便利なサービスですが、書籍を出版する側にとっては非常に問題が多いサービスです。

さすがにGoogle Books(ブックス)で著作権フリーのものでも全文を読むのは大変ですので、小説を読破するということはないと思いますし、スマートパッド等でアクセスをした場合にはPCとまたインターフェースが異なり、読み進めて行くのはちょっとしんどいものがありますので、全文検索対象になったからといってすぐにデメリットを受けない書籍も多いとは思います。

また、著作権が切れている書籍についてはPDFのダウンロードにも対応しているため、今まで絶版となって読む事ができなかった書籍を探したり、図書館の本を見たりするには大変便利です。

ただ、Google Books(ブックス)は、書籍が「全体で一つのコンテンツ」という場合には出版側にもメリットがあるサービスですが、技術書のように「書籍の一部だけ見れても有効なコンテンツ」にとってはユーザーの購入を阻害する要素となる可能性があり、デメリットの方がも大きなサービスです。

世の中は、サービスの受益者側に回る方が多いとは思いますが、コンテンツを作る側にとっては大変結構悩ましいサービスですね。

2013年5月6日追記

よく見るとGoogle Booksに掲載されているものであってもデータ全文ではなくて、一部抜粋となっていましたので記事を修正しました。