今販売している数多くの車は、「スマートエントリーシステム」と呼ばれるものが搭載されています。
これは車の鍵をポケットに入れたままで車の施錠や開錠、エンジンスタートができるので大変便利なもの。
しかし、この「スマートエントリーシステム」の機能を悪用した「リレーアタック」という手口を使った車の盗難が海外で発生しており、日本においてもこの「リレーアタック」により高級車が盗難されるケースが出てきました。
そこで、リレーアタック防止の為にスマートキーのキーケースを買ってみました。
「スマートエントリーシステム」とは
「スマートエントリーシステム」とは、Wikipedia:スマートエントリーによると以下のように説明がされています。
スマートエントリーとは、機械的な鍵を使用せずに車両のドア・トランクの施錠・開錠、エンジンの始動等が可能な自動車の機能のことである。
つまり、スマートキーを使って遠隔で車の操作ができるというものですね。
この「スマートエントリーシステム」は、自動車会社毎に呼び名が異なっています。
メーカー | 機能名称 |
---|---|
トヨタ自動車 | スマートエントリー スタートシステム |
日産自動車 | インテリジェントキーシステム |
本田技研工業 | Hondaスマートキー・スマートカードキーシステム |
スズキ | キーレススタートシステム |
SUBARU | キーレスアクセス プッシュスタート |
三菱自動車工業 | キーレスオペレーションシステム |
ダイハツ工業 | キーフリーシステム |
マツダ | アドバンストキーレスエントリー スタートシステム |
いすゞ自動車 | パッシブエントリー スタートシステム |
フォルクスワーゲン | スマートエントリー スタートシステム”Keyless Access” |
アウデ | アドバンストキーシステム |
メルセデス・ベンツ | キーレスゴー ハンズフリーアクセス |
MINI | コンフォート・アクセス |
ボルボ | パーソナル・カー・コミュニケーター キーレスドライブ |
フォード | インテリジェントアクセス プッシュボタンスタート/スマート・キーレスエントリーシステム |
フィアット | キーレス Enter’N Go |
「スマートエントリーシステム」は、車に搭載されているコンピュータと通信し、正規のキーが近くにあるかどうかを判断しており、スマートキーから車へは電波を常時出しています。
この通信は暗号化されているために解読したりコピーするのは困難で、またスマートキーから出ている電波はとても微弱なため、車から少しでも離れると電波が届かないため、通常の鍵より防犯効果が高いとして普及が進んできました。
これに対抗して考案されたのが「リレーアタック」という手口。
「リレーアタック」とは
「リレーアタック」は、文字通り「スマートキーの電波をリレーする」事で車の制御をしてしまうもの。
「リレーアタック」では、家の中にあるスマートキーの電波や、車から離れた所有者が持っているスマートキーの電波を特殊な機器で拾って増幅して送信し、車の近くで待機する仲間の機器まで中継(リレー)します。
ターゲットとなった車は、正規のスマートキーが近くにあると誤判断しますので、犯人はドアを開けたりエンジンをかけたりして車を動かし乗り去ってしまいます。
「リレーアタック」で実際に車が盗難されそうになったケースと手口については、以下の動画が非常に参考になります。
YouTube:Nスタ545:車が狙われる・・・リレーアタックとは
リレーアタック対策は主に3つ
この「リレーアタック」対策としては、常に出ているスマートキーの電波を遮断する事で方法としては3つあります。
スマートキーを節電モードにする
車の機種によっては、スマートキーを節電モードにして電波が飛ばない様にすることが可能です。
トヨタ:お問い合わせ・よくあるご質問>アフターサービスについて>その他のご質問>リレーアタックによる車両盗難に対する応急対策はあるか
スマートキーを「節電モード」に設定し、電波の受信待機を停止する。
<節電モード設定方法*>
スマートキーの施錠ボタンを押しながら、開錠ボタンを2回押すと設定完了。
(いずれかのボタンを押せば設定が解除されます。)
なお、節電モード設定中はスマートエントリー&スタートシステムは使用できません。
しかし、大半の車種にはこれはついていませんし、この操作を忘れてしまえば意味がありません。
電波を遮断する容器にスマートキーを入れる
スマートキーの電波を遮断する方法として、YouTube:Nスタ545:車が狙われる・・・リレーアタックとはの中にアルミホイルに包むやり方が出てきましたが、これと同じ効果があるものとしてはブリキ缶やアルミ缶の中に鍵を入れる、というものがあります。
ただし、同じような材質のスチール缶では効果がないようですので、実際に電波が遮断できているか缶に入れたスマートキーを車まで持って行って、ドアノブを引いてドアが開くかどうかのテストを行う事は必須です。
電波を遮断するケースに入れる
ブリキ缶やアルミ缶にスマートキーを入れる対策の場合、外出時のリレーアタックには対応できません。
そのため、私は電波を遮断するケースを購入しました。
Amazonで購入したのがこちらの商品。
スマートキーが2個あるので、2個入りのものにしました。
マジックテープで留めてあるカバーを開けると、ポケットが二つ。
手前のポケットの方がなぜかステッチがしっかりしているのですが、スマートキーを入れるのは奥のポケットで、手前の浅いポケットに入れても電波は遮断できないようなので注意が必要です。
奥のポケットにはスマートキーを付けるキーリングがチェーンで付いてます。
このケースに入れた状態で車のそばまで行って、ドアノブを引いてドアが開くかどうかのテストをしてみましたが、確かにドアは開かず開錠のボタンをケースの上から押しても反応はありません。
ケースの蓋を開けただけでも反応はせず、キーを半分ぐらい外に出した状態で始めて開錠が行われましたが、電波を飛ばす側をケースの奥側にしていない場合や車種によるかもしれませんので、どれぐらいで反応するかは自分の車でテストしていただいた方がいいとは思います。