[書評]モバゲータウンがすごい理由

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年末に携帯業界について書いてある本で、話題になったけどまだ読めていなかったものを纏めて購入した中の一冊。Amazonの中古で買ったのでタダ同然に安かったです。

初版が2007年7月1日ということで、今読むには内容的にかなり古い部分が出てきています。また、ターゲット・ユーザーが「携帯業界を知らない人向け」になっていると思われますので、昔からドップリ携帯業界に足を突っ込んでいる人間が読むには常識と言えることも多く書かれています。

また、「こうしたら成功した」という「事実」のみが記載されており、「こういった考え方でこういった施策を実施し、その結果この成功が導き出された」という、「戦略面での成功理由」については書かれていません。
(Amazonの書評で「薄っぺらい内容でした」というのがあるのは、そこを指摘しているのだと思われます。)

ただ、携帯サービスで伸びた企業がどういった行動を取って現在の地位を築いたのか、という「歴史」を改めて認識することは決して無駄ではないのと、今までターゲットとしてきた「若年層」がどういったユーザーに対して、どういったコンテンツが当たったのかということを知ることは、今後増えるであろう「中高年層」のユーザーに対してはどういったコンテンツを提供すべきか、という点を考える上でも参考になると思われます。

携帯業界の基本的な知識と歴史を手早く得たい方や、若年層向けの携帯サービスを考える方が、中古で安く買う場合はお勧めです。(書店で定価で買ってはいけません(笑))

目次
序 章 ケータイ・コンテンツ市場の勝ち組「ディー・エヌ・エー」
ミクシィを凌駕するモバゲータウン
定額制が生み出した新たな勝ち組
快進撃を続けるディー・エヌ・エー
第1章 通信の進化とパケット定額制の普及
加速する第3世代への移行
パケット定額制の普及
定額制の普及で変わるコンテンツ市場
MNPで受ける影響とは?

第2章 劇的に変わるケータイの環境
公式化=勝ち組の終えん
3キャリアが導入した検索エンジン
ケータイの進化に伴うアクセスの多様化
伸びるケータイ広告市場と課金代行
コンテンツの二極化は進むか?

第3章 キャリアと一体化する「超」公式サイト
より密接に提携するコンテンツ・プロバイダーとキャリア
「超」公式化を進めるauのメディア化戦略
両社の躍進のきっかけを作ったauオークション
パケット定額制で実現したモバオク
auショッピングモールの成功
ヤフーを取り込んだソフトバンク
iモード=囲い込みの誤解
キャリアは最大のライバル?

第4章 伸び続ける勝手サイト、モバゲータウン
あいまいになる「公式」と「勝手」の境界
急成長する勝手サイトの筆頭
ビジネスとして成功するモバゲータウン
きっかけは無料ゲーム
アバターでバーチャルを楽しむ
他のSNSよりも親密なコミュニティ
矢継ぎ早に流行機能を取り入れる
ケータイによる逆説的な安全性
モバゲータウンにハマる若者たち
ポータルを目指すモバゲータウン

第5章 ディー・エヌ・エーに学ぶ「モバイル」という「魔法」
インターネットの成功モデルにかける「魔法」
ケータイならではの大きな制約
ケータイ市場を的確に読む
PCの世界を知らないユーザー
ケータイを「体験」する必要性
市場を知っているからこそ保てるユーザーとの距離
ケータイに特化した成功
公式サイトと勝手サイトの使い分け

第6章 ケータイコンテンツの未来
さらに二極化が進むケータイ・コンテンツ
コンテンツ・プロバイダーの勝手サイト進出
PCとケータイのコンテンツは一体化するか?
おサイフケータイで変わる課金の重み
新規参入業者という第3の道