1877年に設立された国立では唯一の総合科学博物館である国立科学博物館(愛称 かはく) 。
かなり前に行ったのですが、あまりの広さと見どころの多さに1日で見て回る事ができなかったので、再訪しようと思いながら結局今まで機会を失っていました。
ただ、せっかくの写真を死蔵してしまうのもなんなんで、国立科学博物館の紹介を兼ねてアップしたいと思います。
博物館じゃない?
JR上野駅公園口から約徒歩10分で到着します。
Wiklpedia:国立博物館によると、国立科学博物館は厳密には博物館法では国の施設は対象じゃないということで、博物館相当施設だそう。
当館は博物館法における博物館ではなく、博物館相当施設である。これは博物館法が国の施設を範疇としていないためである[5]。
また、施設は上野恩賜公園だけでなく、 東京都の2か所と茨城県つくば市の1か所、計3か所にあるそうです。
施設は、東京都の2か所と茨城県つくば市の1か所、計3か所に分散している。展示施設は、東京都台東区の上野恩賜公園内に所在する上野本館、東京都港区に所在する附属自然教育園、茨城県つくば市に所在する筑波実験植物園(通称、つくば植物園)と昭和記念筑波研究資料館(筑波実験植物園の敷地内、一般には非公開)がある。研究部門は、新宿区百人町(新宿分館)とつくば市(筑波実験植物園の敷地内)とに分散して所在していたが、2012年に筑波地区に集約された。
屋外展示もスケールが大きい
こちらが正門。
入場料は、一般が620円、大学生が410円で、高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は、入館の際に年齢のわかるもの提示すれば総合文化展については無料という太っ腹。
入口横にあってまず目に入るのが、D51形蒸気機関車231号。
入口横に置いてありますが、乗ったり中を見る事は出来ません。
出口の方にあるのが、全長30mもあるシロナガスクジラの実物大模型。
あまりの大きさに、写真を撮るのも一苦労です。
建物は日本館と地球館の二つ
建物は、日本館と地球館から成り立っています。
「日本列島の自然と私たち」がテーマとなっているこちらの日本館は 地上3階、地下1階の建物です。
「地球生命史と人類」がテーマとなっている地球館は、日本館よりも新しい建物で地上3階、地下3階。
行ったときは地球館から周りましたので、地球館からご紹介。
地下1階にある入口から中に入ると、地球館、日本館の全館案内が。
- 地球館3F 大地を駆ける生命-力強く生きる哺乳類と鳥類をみる-
- 地球館2F 科学と技術の歩み/身近な科学
- 地球館1F 地球の多様な生き物たち-みんな、かかわりあって生きている-
- 地球館B1F 地球環境の変動と生物の進化 -恐竜の謎を探る-
- 地球館B2F 地球環境の変動と生物の進化 -誕生と絶滅の不思議-
- 地球館B3F 宇宙・物質・法則-自然の”しくみ”を探る-
- 日本館3F 日本列島の素顔/日本列島の生い立ち
- 日本館2F 生き物たちの日本列島/日本人と自然
- 日本館1F 自然をみる技
地球館B1F 地球環境の変動と生物の進化 -恐竜の謎を探る-
地球館のB1Fに入ると最初にあるのが、恐竜の謎を探る展示。
バンビラプトルの骨格標本
バンビラプトルは鳥に似ていますが鳥にならなかった恐竜で、北米で発見された最も重要な恐竜のひとつ。
その先には化石発掘から復元までの工程が解説されています。
地中に埋まっている状態からクリーニング。
クリーニングをするとこうなります。
バンビラプトルの生体復元模型。
恐竜には羽毛が生えていた、というのが最近の研究では言われていますが、バンビラプトルは恐竜と鳥類に分化する丁度境目ということですね。
地球館B1F 大興奮の恐竜エリア
国立科学博物館は、恐竜の展示が素晴らしい。
実物大の化石が所狭しと並んでますので、ここだけで一日中楽しめます。
ティラノサウルス
実在した恐竜の中で、最強と言われるティラノサウルス。
やはり実物大で見ると大迫力。
パキケファロサウルス
特徴的な頭骨を持つパキケファロサウルスは、この頭部を激しくぶつけあっていた、という説明が動画などでもされていました。
トリケラトプス
トリケラトプスは、地面から掘り出された状態での展示。
「レイモンド」という名前がついてます。
ツノが特徴的なトリケラトプスに代表される角竜の頭蓋骨が、何種類も上部に飾ってあります。
スコロサウルスとステゴサウルス
奥にはステゴサウルスとスコロサウルス。
ステゴサウルスはやはりかっこいいですね。
この尾を振り回して肉食恐竜を威嚇していた、という説明を図鑑で読んだことがあります。
アパトサウルス
草食恐竜のアパトサウルス。
体が大きすぎて、全体を写真に収めることができないほど。
以前、ブロントサウルスと呼ばれていたのがアパトサウルスと同種だという話になっていましたが、また最近別の種類だという話になっているみたいですね。
ナショナルジオグラフィック:ブロントサウルス、本物の恐竜として復活へ
オンライン学術誌「PeerJ」に今月7日発表された研究結果によれば、ブロントサウルスは立派に一種をなす恐竜だったという。それどころか、アパトサウルスとブロントサウルスはそれぞれ異なる属に分類されるほど差が大きいとのことだ。
他にも貴重な化石が間近に見れる
地球館B2F 地球環境の変動と生物の進化
地球館の地下二階にある、「地球環境の変動と生物の進化 -誕生と絶滅の不思議-」エリア。
こちらでも、貴重な化石や骨格標本が展示されていますが、その豊富な展示内容に圧倒されます。
背中に大きな帆のような骨があり恐竜のようなディメトロドンやその下のプロキノスクスは、単弓類と呼ばれる哺乳類の祖となる生物で、恐竜が栄えた中生代よりも古い古生代の生物。
パノクトゥスは、左の骨質の甲羅を背負っていた古代のアルマジロ。
翼竜と鳥、オオツノジカ
アンハングエラがインドオオコウモリ(現生種)とオウギワシ(現生種)と展示されており、骨格の違いがよくわかります。
その下には、巨大なオオツノジカ。
パレオプロピテクスとノタルクトゥスはサルの仲間。
スミロドンは、ネコ科の食肉獣であるサーベルタイガーの一種。
アーケロン
天井に大きな生物が展示されていますが、アーケロンは白亜紀後期に生息していた史上最大のカメ。
全長約4メートル、体重は2トンってとんでもない大きさです。
ティロサウルスとバシロサウルス
アーケロンの前には、ティロサウルスとバシロサウルス。
左側は3800万年ほど前の哺乳類のバシロサウルス、右側は白亜紀後期にいた爬虫類のティロサウルスで爬虫類と哺乳類なのになぜか似ています。
他にも巨大な水生生物が天井近くに展示。
陸上動物も桁違いの大きさ
陸上動物も桁違いの大きさを持つ骨格標本が並んでいます。
左端の巨大牙を持つ象はアメリカマストドン、その隣がデイノテリウム、左下の頭蓋骨がゴンフォテリウム、右下の全身像がメリテリウム、右下の頭蓋骨だけがプラティベロドンで、全てが古代の象。
角があるサイのようなアルシノイテリウムは、見た目と異なりハイラックスやゾウ、ジュゴンなどに近いそう。
写真の中の一番大きな骨格標本は、全長8メートルで体重は20tもあった 陸生では史上最大級の哺乳類だったインドリコテリウム。
頭には6本の角、口には大きな牙を持つウインタテリウムは、草食の絶滅した哺乳類。
南北アメリカ大陸に生息していたコロンビアマンモス。
地球館B2F 人類の進化
古代生物のエリアを抜けると、人類の進化がわかるエリア。
猿人、原人、旧人を、残された化石等から推測される身体的特徴や精神活動に基づき復元。
160万年前にケニアにいた原人の少年。
フランスで発見された7万年前のネアンデルタール人の成人男性。
地球館B2F 海で起こった生物の爆発的進化
オルタカントゥスは、古代のサメ。
頭部及び肩帯付近は、甲冑のように硬く重い装甲板で覆われていた板皮魚類のダンクルオステウス。
地球館B3F 宇宙・物質・法則
地下3階は、宇宙・物質・法則についての展示。
ガリレオ・ガリレイが初めて宇宙をのぞいた望遠鏡のレプリカ。
こちらは、日本で初めて作られた本格的な屈折赤道儀(天体望遠鏡)で、国立科学博物館(当時は東京科学博物館)の建物が上野に建てられた際に屋上の天文ドームに設置されたもの。
霧箱は、蒸気の凝結作用で荷電粒子の飛跡を検出するための装置で、目に見えない放射線を見えるようにできます。
泡箱は、ニュートリノなどの粒子を観測するための装置で、これを使うと素粒子の通った跡が見えます。
屋外 ラムダロケット用ランチャー
地球館の裏側には、ラムダロケット用ランチャーが目立たない端の方にひっそりと展示がしてありますが、近くで見るとかなりの大きさがあります。
こちらは、1970年(昭和45年)2月11日に日本で初めての人工衛星「おおすみ」を打ち上げるのに使われました。
膨大な展示品
撮っていた写真を整理するだけで一苦労でしたが、かなりの広さと貴重で膨大な展示物があることがわかると思います。
そのため、じっくりと説明を読んでいると到底1日では見て回れません。
日本館は、次回。